8月27日握手会サーキット

当たったんだわよ
んもーどきどきだったわね
(何言おうかなー あれ言おうかなー うん、あれ言おう!)
と握手のとき吉澤ちゃんに何を言うか決めて
どきどきしながら列に並んで
ついでに他の子たちにも何言うか決めてて
余裕ぶっこいてたのに


私がステージ見てたときは握手時間が一人当たり1秒もなかったのね
流れ作業だし間近で見られるだけで幸せだと思わなきゃって感じだったわ


だから他メンバーへの言葉は全排除して
吉澤ちゃんに一点集中しようと予定変更したのよねー
そう 吉澤ちゃんに全てをかけてたのよ…
小春 重ちゃんには「にこっ」と無言の笑顔握手だけで通過したの
吉澤ちゃんの前にきて意気込んで顔を上げると
吉澤ちゃんと目が合っちゃったのね(当たり前か)


吉澤ちゃんは私の顔を見て少しびっくりしたように目を見開くと
「あぁっ!」って言ったの
私はその事に動揺しつつもちょっぴり顔をほころばせ
(よし言うぞ!)って口を開いたわけ


『どうもありがとうございまぁす』
吉澤ちゃんが先に言っちゃったのよ――――!
しかもきらきらした笑顔で!!
多分私の言うタイミングが遅くて
吉澤ちゃんが先に言っちゃったんだと思うの
私が頭の中で組み立てていた予定と違うことが起こっちゃって
もうパニックよ
と と と とりあえず 返事しなきゃ
「あぁ…どうも…」
カッキ―――――――――――ン!!!
固まりました


冴えない…かっこ悪い…
なぜ気の利いたセリフひとつ口に出来なかったのかしら
このときからいくじなしだったのね


握手会の司会者が
「立ち止まらないで握手してくださいねー」
「イイですよ いい流れで進んでますねー この調子です」
「これが通常の握手会です」


随時こんな声が聞こえてきて
本当に超超高速なわけなのよ


なのに吉澤ちゃんに先に言葉をかけられてテンパっちゃって立ち止まっちゃったのよね
少しして私の後ろにいるスタッフに私の右腰を押され動くように促されて
立ち止まっていたことに気づいたんだけど


スーッと動いて
最後 紺野ちゃんの時には
テンパっちゃってるから
「あ…どうも…どうも…どうも…」って何度も頭下げる感じで
かっこ悪いったらありゃしなかったわ