怖い話じゃないけれど

不思議な事ならあるのよね
と言ってもあたし自身は至って変わらないんだけど


蒲田に住んでた頃って
羽田空港が近いためか
電波障害が結構あったのよね
特に何てーの?
CDとかカセットテープとか(古い!)
ラジオも勝手についたり消えたりしてたかなー
テレビはーどうだったかな?
コンセント抜けばいい話なんだけど
コンセントが棚の後ろで手が届かないのよ
とにかくCDとかテープ ラジオがしょっちゅうだったから
だんだん頭おかしくなってきてね
ある日「うるせー!」って絶叫して
はさみで配線チョン切っちゃったのよ!
冷静に考えたら危ないってわかるんだけど
その時は冷静じゃないから!
はさみで切った途端
青い火花がバチッときてはさみがダメになったわ
感電しないでよかったー!!
そして電波障害から解放されたの


あとはドッペルゲンガー現象かねー
初めは似てる人が近所に住んでるのかと思ってた

『駅前にいたよー』
『自転車乗ってたよ』
『声かけたら大笑いで逃げてった』


その日その時刻にいるはずないんだもの
よっぽど似てるんだと思ったわ
話を聞くと
『似てるとかじゃなくておまえ自身だから』
『髪型とか着てる服とか他人じゃありえないから』


しょっちゅう会って話してる人ばかりだから
見間違いってのも変だよね
話し掛けた人もいるくらいなんだし
でもやっぱり似てる人がいるんだと思ってた


ある深夜
あたしのそっくりさんが徘徊してたらしい
しかも白いひらひらのドレスみたいなのを着て
スキップしてどこかに消えていったって
見た人は茫然として声かけられなくて
後日あたしに『何してたの?』って聞いてきたんだけど


それは明らかにおかしいよね
そんな服もってないもん!
と思ったんだけど
一着だけあったんだよねー
ネグリジェ


あたしは思ったわ
あたしは夢遊病なのかと!


蒲田を離れてもしばらくあたしは蒲田に出没していたらしい
何なんだろうねー
生霊?
ありえない場所
ありえない時間
お構いなしだからねー


今住んでる場所は知り合いはほとんど居ないから
あたしを見かけた話は全く聞かなくなったけど
たまに徘徊してるかもしれないねー
吉澤ちゃんを追っかけてるかもしれない


どうせならあたしの代わりに仕事行ってきてほしいよ!
お願い!もうひとりのあたし!